H28年 第62回 九州精神医療学会(沖縄)
今回、九州精神医療学会の発表をするにあたり、6月には肥前医療センターで
包括的暴力防止プログラム(CVPPP)研修に参加させていただきました。
個人的に精神科、または精神科急性期で勤務するのであれば、体格や力強さは必須であると
イメージがあり、自分はその正反対であるという事実を実感していました。
だからこそCVPPPに対する期待は大きかったのですが、実際は実技練習が多く、
CVPPPのいう身体介入は技術、人員の確保、インフォームドコンセントなどそれぞれに課題があり、
すぐに院内で取り組めるものではありませんでした。
しかし、短い講義の中から新たな気付きや学びもあり、少しずつでもその気付きや学びを
共有できるようにしたいと思える研修でした。
学会のテーマを「暴力防止」としたのも、体格や力ではない対応方法があり、それが有効で、
尚且つ、自分に出来るか?というテーマでもありました。
実際に発表のまとめに入ると、明らかにしたかったことや、伝えたいことをスライドや
原稿に形にするという難しさに直面しました。
しかも、7分という時間制限がある中、前後のつながりや流れ、言葉の選び方、こんなにも大変な
作業なのかと嫌気がさすこともありました。
そんな時、師長や主任は「結果ももちろん大事だが、経過ややったことに意味がある」と支えてくれ
出来上がったのが今回の「暴力への対応を振り返り考えたことCVPPPを学んで」です。
発表当日、沖縄コンベンションセンターに到着し、発表時間まで他の発表を聞いていると、
会場から予想外な質問が出たり、発表者の緊張が伝わってきたりして、段々と自分の緊張が高まり、
早く済ませてしまいたい、噛んでしまったらどうしようか、早口にならないだろうか、
時間は7分を超えてしまわないだろうか、質問にきちんと答えられるだろうかと直前の10分間は
色々なことを考えていました。発表中は、緊張は最高潮に達し、
目の前にある時計を横目に原稿を読みました。
質疑応答では、座長さんの病院もCVPPPトレーナーがいるらしく、その病院のCVPPPトレーナーが
暴力を受けたことがあり、スタッフに伝達するには説得力に欠けるのだが、
どう伝達していけばよいのか?という質問でした。
当院では取り組み始めたばかりであることと、CVPPPトレーナーだから暴力を受けないのではなく、
その暴力をきちんと振り返り、防止策を考えていく事が大切だと思う、というような回答を
したように思います。予想外の質問と緊張で、あまり覚えていません。発表の全てが終了し、
師長と主任に「上手くやり遂げた」と言われ、やっと終わったんだと実感できました。
2日目は、熊本震災から復興に関する発表に興味を持ち、明日は福岡で起こるかも知れない災害を
真剣に考えなければいけないと思いながら聞きました。
この時期に学会で熊本震災の事が聞けるとは思っていませんでしたし、実際の声が聞けてよかったです。
学会自体に参加するのは2回目ですが、今回は発表という役目があり、1回目では気付けなかった
視点で他の発表から、スライド構成の仕方、伝え方、ものの言い方なども学びになりました。
今回の発表の経験は新たな成長の機会を与えてくれました。
次回、発表をする方には自分のささやかな経験と学びを活かしながら、より良い発表を
まとめていけるよう協力をしたいと思います。
最後に、今回の発表の為に御指導、御協力していただいた方々に感謝しています。